精力剤の個人輸入は安全?危険?

海外の医薬品を輸入する「個人輸入」では、病院に行かなくても安く精力剤が手に入ると検討する人も多いようです。ここでは精力剤の個人輸入の実情について、解説しています。

精力剤の個人輸入ってやっていいこと?

精力剤の個人輸入は原則禁止!

個人輸入とは、「外国で販売されている製品を、個人で使用することを目的として、海外の小売店・通販会社などから購入すること」です。


つまり、海外で売られている精力剤を個人で購入し、使用することができる方法です。


日用品や趣味用品などは個人輸入される方も多いですが、精力剤のような医薬品・医薬部外品・サプリメントなどは、使用する人の体に直接影響するため、海外からの輸入が薬事法で厳しく制限されています。


日本では、有用性や安全性の確認がされた精力剤が流通しているため、どの製品を購入しても安全ですが、海外で販売されているものは日本で承認されていない成分が配合されていることも多く、危険性の側面から薬事法による規制の対象となることもあります。


基本的に薬やサプリメントの関係で個人輸入が認められる場合は、日本の医師が必要な薬として処方した、外国で受けた薬物治療を継続しなければならない、海外の旅行者の健康管理として必要といった状況でのみ、厚生労働省の許可を受けた上で認められるものです。


精力剤のような製品は、海外からの輸入は原則禁止されていますので、違法行為を行わないよう気を付けましょう。

精力剤の個人輸入の落とし穴

精力剤の個人輸入は日本で規制されているにも関わらず、効果への期待から個人輸入を行う人が後を絶ちません。

そういった精力剤を個人輸入した方々の多くは、様々なトラブルや被害を受けているのが現状です。

1.半数以上が偽造品

ED治療薬を製造・販売している日本メーカーの調査によると、個人輸入代行業者のサイトで正規品と謳って販売されている精力剤やED治療薬の55.4%が偽造品であることが分かりました。


パッケージのみ正規品を使って中身を入れ替えているもの、正規品の名称を無断で使用しているものなどその偽造形態は様々で、一般の人がサイトを見るだけでは判断できないよう、精巧に行われていることがほとんどです。

2.副作用が出ても自己責任

先述したとおり、海外で販売されている精力剤の中には、日本で安全性や有用性が認められていない成分が配合されていることも少なくありません。


こういった成分の副作用によって病気が発症したり、最悪死亡したとしても全て自己責任の範囲とされてしまいます。


日本では「医薬品副作用救済制度」という取り組みが行われており、万が一医薬品の副作用によって入院や死亡した場合に救済給付を行ってもらうことができますが、これは日本で販売されている薬品のみが対象となりますので、個人輸入で起こった場合は適用外となってしまいます。


また、入院保険や生命保険なども下りないことがほとんどですので、このような健康被害のリスクを承知しておかなければなりません。

3.輸送トラブルが続出中

これは精力剤の個人輸入に限った話ではありませんが、海外から送られる荷物の輸送トラブルは後を絶ちません。


日本は非常に良心的な国民性ですので、注文内容をきちんと管理し、梱包・発送を行いますが、海外との取引となる個人輸入では「注文内容が違う」「荷物が破損している」といったトラブルが往々にして起こります


また、税関での通関手続きでもトラブルは多く、手続きに時間がかかりすぎる、通関手数料が高いといった一般的な問題に加え、日本国内への輸入に危険性があると判断された場合は中身を無断で開封され、差し戻されることもあります。


これは国が取り仕切る税関で行われることですので、拒否することはできませんし、違法性があると考えられた場合は注文者が逮捕されることもあります。

4.個人輸入業者には悪徳も多い

英語が堪能でない方や個人輸入が初めての場合、個人輸入代行業者を使って精力剤を入手するという方もいます。


実は、この個人輸入業者には悪徳業者も数多く存在し、精力剤の偽造品の販売だけでなく「振り込みをしたのに商品が届かない」「お金を払って以降、連絡が取れない」といった詐欺行為も頻発しています。


個人輸入ではこのような業者とのトラブルも自己責任の範囲とされてしまうことも多く、もし被害に合っても警察は動かないことがほとんどです。

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